暗黒星雲の全天アトラス
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2MASSによる天の川銀河の暗黒星雲の分布図
「南のかんむり座暗黒星雲群」は太陽系からもっとも近い暗黒星雲の一つで、太陽系から約420光年(130pc)の距離にある、星の形成が活発に行われている領域です。
この暗黒星雲の集まりは、星数密度が小さい銀経 360°銀緯-18°付近に中心をもつ「コア」があり、そこから下方(銀緯マイナス方向)に旗がたなびいているような特徴的な形をしています。
「コア」の暗黒星雲は太陽の50倍の質量をもち、この近くには高温の外層をもつ輝線星(R CrA)や太陽より大きな質量をもつ星がいくつか確認されています。
また、コアの周りには小冠(Coronet)と呼ばれる領域があり、太陽よりも小さな星(低質量星)が形成されています。小冠では前主系列星で活動的な若い星「T−タウリ型星」や、生まれかけの星から放出される超音速のガスの塊が形成する「ハービック・ハロー天体」などが発見されています。