口径40cmカセグレン式反射望遠鏡を用いた観測(2025.8.3)

日付:2025年7月 場所:東京学芸大学

投稿者:佐藤友美  

 前回(2025年5月30日)記事で口径40cmカセグレン式反射望遠鏡を用いた観測についての記事を投稿しました。今回は、観測で得られたデータの解析について書きます。

 私は既知の系外惑星を対象にトランジット(惑星が恒星の前を通過する現象)を観測しています。おおまかな解析の手順としては以下の通りです。

① 撮影したデータからダークカレント(光がないのに発生するセンサーの電流)を引く。

以下の写真がダークカレントです。シャッターを閉じて撮影していて、本来は真っ暗なフレームが得られるはずです。しかし、ところどころ白く映ってしまっています。このようなピクセルを取り除く処理を行います。

② ①をフラットフレーム(カメラや望遠鏡に特有の明るさのムラを補正するための画像)で割る。

以下の写真がフラットフレームです。中心部分が明るく、外側は暗く映ってしまいます。このようなムラを補正します。

③ WCSを用いて星の位置合わせをする。

→画像の中のピクセルの位置と、実際の空(赤経・赤緯=天体の経度・緯度)を対応付ける。

④ プログラムを書いて開口測光を行う。

現在、もう少しでライトカーブが得られそうな段階です。

学部3年生の授業やゼミナールで、Phythonやprocessing、IDLのプログラミング言語について学びます。データ解析を通じて、プログラミングが課題を効率的に解決するための実践的なスキルであると実感できました。引き続き解析作業に励む所存です。