月のステレオ写真の作成

天文学研究室 4年 堀口智史(2023年度)

東京とクイニョン(ベトナム)から同時に月を撮影し、月のステレオ写真の作成しました。

学校での授業・学習資料作成等の教育目的の使用に限り、ご自由にご利用いただけます。詳細は教材の利用についてのページをご覧ください。

東京-クイニョン間は約4000 ㎞離れており、月を立体的に見るための十分な視差が得られます。これを利用して、東京とクイニョンに設置された2台の望遠鏡を用いて同時に月を撮影し、月のステレオ写真を作成しました。下の写真では、東京の月を左目用、クイニョンの月を右目用に配置してあります。この写真をスマートフォンにダウンロードして表示させ、VRゴーグルに挿入すると月を立体的に見ることができます(平行法)。また、この写真を上下逆さまにして、寄り目で見ても立体的に見ることができます(交差法)。

VRゴーグル

VRゴーグルにスマートフォンを挿入することで、簡単に立体視することができます。

VR SHINECON 製品番号:SC-G06E

観測データ

東京クイニョン(ベトナム)
撮影日時
(日本標準時)
2023年8月4日 1時1分ごろ2023年8月4日 1時0分ごろ
場所東京学芸大学 中央一号館屋上クイニョン天文台
(Quy Nhon Observatory)
緯度北緯 35° 42′ 18”北緯 13° 43′ 05”
経度東経 139° 29′ 24”東経 109° 12′ 48”
高度73.57 m8.00 m
使用機器東京学芸大学40 ㎝望遠鏡クイニョン天文台60 ㎝望遠鏡

ステレオ写真作成の経緯

本研究は、2023年7月17日~28日にクイニョン(ベトナム)で行われた観測天文学の国際サマースクール(The SAGI Summer School in Observational Astronomy)での観測実習のテーマの一つとして行ったものです。このサマースクールにはベトナム、イギリス、日本、フランスから天文学に興味のある約30名の学生が参加しました。クイニョン滞在時の2023年7月26日に同時撮影を行いましたが、ベトナムは雨期が近づいていたため大雨が降り撮影は難航しました。しかし、サマースクール終了後の2023年8月2・3・4日にクイニョン天文台の方々と協力し再度同時撮影を行いました。その結果、満月に近い状態の月のステレオ写真を撮ることができました。ステレオ写真を通して、より月に興味を持ったり宇宙に対する興味が湧いたりすることを期待しています。

教材

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