タイムラプス映像を用いた日周運動に関する教育実践を行いました(2025.10)

日付:2025年10月 

場所:東京学芸大学附属中学校

投稿者:花上和貴

 2月のチリ、6月のケニア・ジンバブエ、7月の下北半島、9月の野辺山で記録したタイムラプスを教材化し、附属の中学校の理科の授業で教育実践を行いました。

 実際に撮影してきた映像は生徒にとってインパクトが大きかったようで、非常に食いつきが良かったです。撮影地の様子や撮影時のエピソード(現地で起きたハプニングや観光の様子など)を交えて説明することで、生徒たちはより一層関心を持ってくれたようでした。授業では、地球儀を4人グループに2つずつ配布しました 。これにより、普段考えることの少ない南半球の空の様子や、地球が球体であり、同経度においては南半球中緯度帯の人々が我々と約90度傾いて立っていることなどを実感しやすくなったのではないかと思います 。

 一方で、授業の課題も見えました。「地球は反時計回り」とだけ覚えている生徒も見られたことから、スライドにおいて、地球を南極側から俯瞰する図や、自分の地点から北極側を見たときの地面の回転(時計回り)といった視点を加える必要性を感じました。また、生徒の中には既存の天球のモデル(天球の裏に人が立っている)で考えようとして、南半球での星の動きを誤解してしまうケースや 、赤道直下での方角の感覚(特に南北)が掴みにくいなどといった予想外のケースも多く見られました 。理屈ではわかっていても、球体の上での動きを感覚として捉えることの難しさを改めて認識しました。

(図1 北半球での天球の裏がそのまま南半球中緯度帯と捉えている生徒の回答例)

今後の展望:

 今回の実践で見えた課題を踏まえ、教材をさらに改善していきたいと考えています。例えば、生徒が陥りやすい誤解(例:天球での考え方)をあえて提示し、なぜそれが間違っているのかをクラスで議論するような活動も有効かもしれません。また、授業の草案段階であった、タイムラプス映像を見た後に実際に生徒に立ってもらい、東西南北や星の昇り沈む方向を指差しで確認するといった身体的な活動を取り入れることも、時間があれば検討したいです。教科書では発展的な内容として扱われがちな事柄についても、生徒の関心を最大限に引き出せるよう、より一層研究に励んでいきたいです。

(図2 今年7月に下北半島で撮影した北の空の星の軌跡)