しかし、アトラスが完成したといっても、この段階では暗黒星雲のデータベースとしてはまだ不完全でした。日本地図に例えるなら、日本列島を等 高線だけで描いた図が出来たに過ぎません。日本列島には、険しい山や広大な平野など、様々な地形があります。実用的な地図帳にするためには、 山や平野に名前を付け、それぞれの高度や面積を測定し、索引を付けなければなりません。私たちは、得られたアトラスを基に、合計5289個の暗黒星雲を同定し、番号を付け、個々の座標、減光量、広がりを測定しました。この結果をカタログ付の暗黒星雲アトラスとしてまとめ、日本天文学会 発行の学術雑誌Publications of the Astronomical Society of Japan(通称PASJ)で発表することができたのは、さらに3年後の2005年2月 末のことでした。