星は集団で生まれる

 

milky way

Credit: Knut Lundmark (Copyright:Lund Observatory)

 

上の画像は、天の川を平面的に表したものです。1950年代にスウェーデンのLund天文台で作られた天の川銀河のデッサンです。

さてこの画像の中で、オリオン座に注目してみましょう。

 

 

オリオン座に分布する暗黒星雲

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オリオン座付近の暗黒星雲の分布

 

オリオン座付近の暗黒星雲の分布

 

上の画像は、冬の夜空に輝く有名な星座のオリオン座付近の暗黒星雲の分布図です。画像の色は減光の度合いに応じてつけています。この画像から、オリオン座にはいくつかの暗黒星雲の塊が広がって存在していることが分かります。それぞれの広がりは、なんと数100光年以上にもわたります。

オリオン座の南側に広がる暗黒星雲の中で一番電波の強いところには有名なオリオン星雲(M42)があり、今まさに星が活発に生まれています。電波で観測してみると,オリオン座の分子ガスは,大きな広がり(数十光年)を持っていて、オリオン星雲はその端にある小さな天体に過ぎないことがわかります。これらの分子雲は星が生まれるもととなったと考えられています。

 

暗黒星雲に分布する原始星候補

赤い+印は赤外線観測により発見された原始星の候補天体の分布を示します。原始星とは現在、誕生しかかっているか、数十万年から数百万年前に誕生したばかりの恒星のことです。原始星の分布は、暗黒星雲に集中していることが分かります。原始星は星間ガスの中でも、より密度の高い領域である暗黒星雲の奥深くで生まれるのです。

原始星では核融合反応はまだ起こっていません。しかし原始星が収縮する際に放つ膨大な熱は赤外線で放射されます。

暗黒星雲が近くの超新星爆発などによる衝撃波を受けると、それによって物質の濃淡ができます。濃くなった部分は重力が強くなるので、周囲の物質を引きつけさらに物質の濃度が濃くなります。するとさらに重力が強くなり、加速度的に濃度が濃くなっていきます。このようにして原始星が誕生します。原始星はまだ周囲を暗黒星雲に覆われているため、星雲の外からは可視光では観測できず、赤外線だけが観測されます。 暗黒星雲はあたためてくれるような星もないので、非常に低温になっています。電波の観測によると、絶対温度でおよそ10度、つまり零下約260度しかありません。このように低温で密度の高い星間雲の中には、さまざまな分子が存在しています。水、一酸化炭素、アンモニア、メタン、アルコールなど多くの分子が電波の観測などから見つかっています。

このように、星は暗黒星雲や星間雲のなかで誕生します。 多くの星たちは、単独で生まれるのではなく星の集団で生まれることが分かっています。

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星の集団・星団

「すばる」は、同時に誕生した星がそのまま集団を作っています。肉眼でも6個ほどの星を見ることができますが、実際には数千個の星の集まりです。