要旨
    我々東京学芸大学 の研究グループは、全天空を網羅する暗黒星雲 の精密なアトラス(地図帳)を、世界で初めて作成することに成功した。 ガスとダスト(塵)からなる暗黒星雲は、 星の誕生の場として銀河系の中でも特に重要な役割を 果たしている。暗黒星雲は、背景の星の光 を遮るため、肉眼では星の数の少ない、暗い領域として認識される。我々は、パロマー 山天文台(米国)およびアングロ・オーストラリア 天文台(豪州)の1.2mシュミット望遠鏡によって1950年代から蓄積され続け てきた膨大な写真乾板を、6年以上の歳月をかけて計算機で 処理し、約7億個の星の明るさや座標を調べた。 星の分布の疎密を調べることで、暗黒星雲の姿を全天で正確に描き出すことができた 。星 の故郷ともいうべき暗黒星雲のカタログやアトラスは過去にも何例か発表されているが、い ずれも暗黒星雲の大雑把な位置と広がりだけを 記録した精度の低いものであった。江戸時代、幕府天文方の伊能忠敬は、17年の 歳月をかけて非常に正確な日本地図を作成した。いわゆる 「伊能図」である。6分(1度の10分の1の角度で、満月の視直径の 約5分の1)という高い解像度で暗黒星雲の細部まで正確に描写して いる 我々のアトラスは、暗黒星雲の伊能図ともいうべき画期的なもので、国内外の研究者の注目を集めている。

暗黒星雲の全天マップ

*この画像は、DOWNLOAD MENU の全天画像と領域からダウンロード出来ます。

より詳しい説明などは暗黒星雲全天探査計画の概要をご覧ください。