暗黒星雲の全天アトラス

天の川銀河に分布する暗黒星雲

各領域をクリックすると詳細な暗黒星雲の姿をご覧になれます。

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2MASSによる天の川銀河の暗黒星雲の分布図

 

 

オリオン座・いっかくじゅう座暗黒星雲群領域に分布する暗黒星雲

-Orion & Monoceros Dark Clouds-

 

冬に見える星座の代表格であるオリオン座は、研究者の間では星の形成過程を解明する領域としてとても有名です。

図に示した領域は「オリオン座」と「いっかくじゅう座」の暗黒星雲群です。この領域は「オリオン座暗黒星雲A」、「オリオン座暗黒星雲B」、「いっかくじゅう座R2 暗黒星雲」の3つの領域に大別することができます。

「オリオン座暗黒星雲A」は、太陽から約500pc(約1600光年)の距離にあり、その質量は太陽の10万倍です。この暗黒星雲には「トラペジウム」と呼ばれる四重星があります。いずれも青白色の高温度の星(OB型星)で、このうちの一つの星(θOriC)の放射している紫外線の影響で「オリオン大星雲」が作られています。 「オリオン座暗黒星雲B」は、「オリオン座暗黒星雲A」とつながっていて、その距離も同じです。質量は太陽の8万倍と見積もられています。オリオン座暗黒星雲Bの右下には、大質量の若い星の集団「オリオン座OBアソシエーション」が存在します。

「いっかくじゅう座R2暗黒星雲」は、太陽から約830pc(約2700光年)の距離にあり、その質量は太陽の9万倍です。この領域も「オリオン座の暗黒星雲」と同様に西側で星の形成が活発で、近年は「オリオン座の暗黒星雲」の若い段階のものではないかと考えられ、注目を集めています。