日本天文学会春季年会2011 記者会見資料

目指せ、理科指導力アップ!頑張れ小学校教員の卵たち

まとめと考察

1. 小学校教員志望の非理科生への科学教育

教育学部の非理科生を対象に、@基礎的な科学知識の講義、A観察・実験を取り入れた実習、Bレポート及び試験、という流れで授業を行いました。その結果、授業で取り扱った4つのテーマについては、非理科生に理科の基礎知識や科学的説明力を身につけさせることが出来ました。テーマ毎に時間をかけた教育を施せば、非理科生でも理科の指導力をかなり高められることが分かりました。

 

2. 包括的かつ継続的な理科指導の必要性

しかし、本授業実践のみでは、非理科生に「小学校で理科を教える自信」をつけさせることは出来ませんでした。受講生の6割以上が指導する際の不安材料として「内容の理解不足・知識不足」を挙げていることから、本授業では小学校理科の全内容をカバーすることが出来なかったことがその理由の一つとして考えられます。受講生への追跡調査でも、それを裏付けする意見が寄せられています。本授業は半期のみの開講であり、受講生の不安を払拭するためには、本研究で行ったような授業をより包括的かつ継続的に行う必要があります。
 自信度を調査した項目では、A区分(物理・化学分野)により大きな苦手意識が見られました。小学校教員養成課程の非理科生は高校在学時に物理や化学を履修していない者も多いのが現状です。非理科生であっても、小学校教員志望学生については物理・化学分野の最低限の知識を習得させるようなカリキュラムが必要でしょう。
 実際の大学の授業では、理科に費やせる時間数には限りがあります。理科に限ったことではありませんが、自分自身で知識不足を補えるような力(自分で考える力や調べる力)を身につけさせるような指導法を開発することも、有効な解決策でしょう。

 

3. 全国的な調査計画

本研究の結果は東京学芸大学の非理科生のみを対象としたものです。本研究では、兵庫教育大学、上越教育大学、大分大学、北海道教育大学など全国の大学と協力して非理科生に対する同様の調査を行い、非理科生の抱える共通の問題点や地域差を見出し、より効果的な教育法を模索していく計画です。

 

 

ページトップへ

Copyright (C) dobashi lab All Rights Reserved.
design by. (C) WebDaisuki.com